【考察】プラモデル『ゼノブレイド2 セイレーン』に付属していた設定資料に関して


11月28日にコトブキヤから発売された『ゼノブレイド2 セイレーン』のプラモデルに記載されていた設定が凄い密度でありTwitter上で幾つかの考察を行ったため、そのまとめを行いました。

以下はホビーサーチ様の商品画像からである。画像をクリックすると転載先ページへ移動します


『ゼノブレイド2』の物語を軸に『ゼノギアス』『ゼノサーガ』『ゼノブレイド』『ゼノブレイドクロス』の設定を絡めたゼノシリーズ全体の考察となっている為、ゼノシリーズ全作品の重大なネタバレが含まれています。未プレイでの閲覧は自己責任でお願いします。

◆関連記事
【考察】『ゼノブレイド2』或いは『ゼノシリーズ』のすべてhttps://vitaaeternitatis.blogspot.com/2018/01/06.html








ゲート

21世紀初頭、とある大学の研究員がアフリカにて磁気異常物質を発見した。後の研究にてこの物質はエネルギー保存則を無視した一種の永久機関であることが判明。統合政府は莫大な予算と人員を必要とした結果、巨大学術機関アオイドスが誕生した。またこの物質をゲートと名付ける。

アオイドス設立十年後、ゲートは文字通り多言宇宙論的にいうところの複数の宇宙を接続するマルチバース・ジョイントである事が判明した。

事象変異機関ゾハル

ゲートと事象変異機関ゾハルとオリジナルゾハルが同一の物質で構成されたものであることは考察し語るまでもなく、発見地域がアフリカであると大まかに言われているが、細かく言うならケニア共和国トゥルカナ湖であろう。

『ゼノブレイド2』では永久機関として利用されていた磁気異常物質であるが、何故ゲートが永久機関として成立しているのかの研究は行われていたと考えられるが、事象変異の存在までは進んでいなかったと考えられる。同様に上位領域の存在も把握しておらず、クラウスの発言からも他宇宙(別の下位領域)からエネルギーを取り出していたのだと推測されていた。

発掘された磁気異常物質がもしも宇宙空間上に存在しておらず地表にあり、何らかの事故が発生した場合、地球はロストエルサレムとなると考えられる。

この『ゼノブレイド2』の世界が『ゼノサーガ』の永劫回帰以前の物語なのか、あるいは『ゼノギアス』と『ゼノサーガ』とはパラレルワールド(別の領域)の物語なのかは現時点では不明だが、『ゼノギアス』と『ゼノサーガ』も地球低軌道上にゲートを管理していたなら、もしも何かしらの事故が発生しても地球には大きな影響は与えることにはなってもロストエルサレムとならなかったのではないかと推察できる。



トリニティ・プロセッサー

人類が生体素子を採用して設計開発した合議型人工知性群。それがトリニティ・プロセッサーである。彼はそれぞれが異なる仮想空間で育成されることで個性を獲得。人類の判断を問わずにゲートを各プロセッサー同士が合議しながら管理運営している。

生体電脳カドモニ

三つの生体素子で構成された合議型人工知能型コンピュータ。これは生体電脳カドモニに該当するものだと考えられる。そもそも『ゼノギアス』の事象変異機関ゾハルの中央部に取り付けられた翠玉色の装置──生体電脳カドモニは人類が開発したものである。『ゼノサーガ』のオープニングムービーにてオリジナルゾハルが登場した際に既に取り付けられているが、ヴェクターと永劫回帰の事を考えると既に人類が開発して組み込んだほうが自然であると考えらえる。オリジナルゾハルと事象変異機関ゾハルは生体素子を直接組み込んでいるが、ゲートの場合は生体素子は外部装置として組み込まれている。つまり『ゼノブレイド2』のゲートの形こそが磁気異常物質・MAMとしての本来の姿であると考えられる。

またトリニティ・プロセッサーは合議型と称している事から、三つの生体素子の不確定性演算処理、フラーレン素子による論理演算処理による二院合議構造となっているものだと考えられる。

エンセフェロン

ホムラとヒカリがいた「記憶の中の楽園」とは仮想空間のことであり、ホムラの再同調時にレックスがこの仮想空間を共有する事が出来たのは、彼女の生体素子とレックスの脳がコアに触れた際に通信接続された為だと考えられる。またこの通信技術と仮想空間はエンセフェロンと同一と考えられる。

恒星間戦略統合システム デウス

デウスとデバイスの大きな違いは人の手によって開発されたか否かであろう。デウスは人類が開発し、デバイスは完全に人工知能が開発したものだ。 まるで一万年前は人工知能が戦争を引き起こし、その人工知能が歩む道を人類が後ろからついていった歴史のように見える。しかしプロセッサーが自ら開発しなくても統合政府が反政府に対する兵器を人工知能に求めたであろうことは明白であり、先を見越してデバイスの開発をしたのは合理的であると考えられる。
その起動端末兵器群を開発したのが後のメツ、ヒカリ、アルヴィースと考えると複雑な心境ではあるが。

またデバイスにはスレイブ・ジェネレイターと呼ばれる装置が埋め込まれている。これは『ゼノギアス』のギアなどに搭載されているスレイブ・ジェネレーターと名称からも同一であると考えられる。



統合政府

統合政府は巨大学術機関アオイドスを設立した。アオイドス(ἀοιδός)は古代ギリシア語で吟遊詩人を意味する単語であり、これからの歴史を語り継ぎ、歴史を紡ぐ者であるようにという意味で名付けられたものだと考えられる。クラウス、ガラテアもこの巨大学術機関アオイドス所属と考えられる。

ビーン・ストーク

政府はゲートの研究を行うには地表上では危険と考え、赤道上に軌道塔ビーン・ストークを建設。ビーン・ストークには三基あり、それらの低軌道部分を接続することでオービタルリングを形成する計画を行っていた。第一タワーはラダマンティス、第二タワーはアイアコス、第三タワーはミーノースとそれぞれ冥界の審判者だった人物を意味している。

ラダマンティス(Ῥαδάμανθυς)はエリシュオン(楽園)の長を意味しており、統合政府、コロニーである楽園、巨大学術機関アオイドス、ゲート、トリニティ・プロセッサーといった政府にとって重要な拠点となっている
また巨大学術機関アオイドスの内部には相転移実験施設が存在しており、 オービタルリングを加速装置として利用、真の真空への相転移が行える環境下であった。

アイアコス(Αἰακός)は謙虚な人物であり冥府の鍵の所持者を意味している。謙虚とは古代ギリシアでは神を敬う事を意味するがこれは宗教的に、文化的に重要な物を保管する場所を意味していると考えられる。例えばパイオニア10号の金属板のレプリカといったものも含まれるのではないだろうか……まぁこれは流石に飛躍しすぎだろう。
また冥府の鍵の所持者としても意味を考えるなら、楽園が民間人の為のコロニーだとするとアイアコスは貴族といった統合政府にとって重要な人物のため巨大コロニーであったとも推察できる。

ミーノース(Μίνως)は月の生物を意味しており、これは地球から離れられない人類が地球とは別の第二の故郷を探索するための研究施設であり、白鯨やエルドリッジに類似した恒星間航行船の開発もここで行っていたものだと考えられる。『ゼノブレイド2』では月に関して述べられていないが、もしかしたら月面上にミーノースと関わりのある研究施設が存在しているかもしれない。

楽園と冥界

楽園と冥界──または天国と地獄ともいえるが、軌道塔を三人の冥界の審判者を名付けている事から、軌道塔の計画が行われた時点で統合政府は地球上を冥界と見立てて審判を下すつもりであったと考えられる。
恐ろしいことだが統合政府は自らが選別した人類と居住を望んだ者のみをコロニーに収容、それ以外の地球に住む全人類を反政府《サルワートル》と命名、敵性体と認定して審判を下していることになる。



あとがき

まさかセイレーンの設定をここまで明かし、こんなにも他のゼノシリーズと絡めてくるとはすごいサプライズでしたね。 プラモデルのセイレーンに記載されていた設定だけでこんなにも考察を執筆していました。もしも『ゼノブレイド2』の設定資料集が発売されたら恐ろしいことになりそうです。

実は執筆時点ではまだセイレーンは届いてないのですが、全体塗装しないと見栄えが悪いので届いても完成するまで時間がかかりそうです。翼と輪の該当箇所も本当に作るとなるとプラ板必要ですし。

それでは長くなりましたがここまでの閲覧ありがとうございました。

0 件のコメント :

コメントを投稿