遠い昔。
幾人かの特別な女の子たち──‘‘魔法少女’’が人類の未来を救ったという。
その闘いは熾烈を極めた。
誰もが傷つき。
誰もが泣いて。
誰もが祈った。
ごく当たり前にすぎる‘‘戦いの物語’’がそこにはあった。
しかし……。
傷つき。
泣いて。
祈っても。
少女らは誰に感謝されることもなく。
誰に賞賛されることもなく。
……誰に、知られることもなく。
それでも‘‘戦い’’は、無事に終わった。
‘‘人類の未来を守るための物語’’を、これ以上ないハッピーエンドに導いた。
そしてそれからおよそ十年後の現在。
……春。
さくら咲き乱れる出会いと別れのその季節。
かつて人類の未来を救った少女たちは、今はもう‘‘魔法’’を忘れ──ごくふつうの少女として生きていた。
誰もが当たり前に遭遇する、ごくごくふつうの当たり前な困難に、頭を抱え、迷い、生きる道を探してた。
そんなある日。
さくら舞い散る、春の中。
「……お願いします」
少年、奏大雅は、もうひとつの春と再び出会った──
「お願いします。どうか私を、魔法少女に戻してください」
これは‘‘魔法少女’’のための物語……。
なんかでは、ない。
これは、幸せを探し出すための物語。
これは、あなたの人生のための、物語。
さくらもゆ‘‘夜’’の中……。
もう二度と、君が悲しまなくてもいいように──
さあ、引き金を引け。
たったひとりの君を救うため。
俺は。
俺は何度だって、散りゆくのだと──……
公式サイト引用
プレイ前は魔法少女?モノなのかなぁって思わせますが、そんな幻想的なお話などではなく、その先の現実を描いたエピローグから十年後、物語は始まります。
どんなお話なのかと把握するのにはなかなか難解なあらすじですが……クリアした後だと「いやぁ、これ以外にない」っていうくらいには良いあらすじです。
『さくら、もゆ。 』
これは"愛"と"勇気"を歌った"恋"の物語。
そして、 あなたの人生のための物語。
シナリオ :43/50点
キャラクター :7/10点
グラフィック :10/10点
音楽 :9/10点
声優 :8/10点
システム :7/10点
合計 :84点(評価B)
ここから先は『さくら、もゆ。 -as the Night's, Reincarnation-』の重大なネタバレが含まれています。未プレイでの閲覧は自己責任でお願いします。
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感想
共通
私、幻想世界大好き侍マン!"魔法少女"たちの物語である十年前が本編だとすると、これは後日譚であることから要所要所でさも当然のように「知っているだろうからいちいち説明はしない」っていうプレイヤー置いてけぼりスタイルを発揮していくの、嫌いではないです。
どうせあとになって把握できるだろうし、その辺は脳死でプレイしてました。
十夜とのじゃんけんで必勝法を知っていても、わざと負けてるのをサラっと流すのすごくほんわかするというか「あぁこれが日常なんだなぁ」って思える描写すごく良いです。
オープニングの「さくら、Reincarnation」から感じる神ゲーオーラがさいつよ。このオープニングで購入を決めたくらいにはオーラが凄い。
というかいちいち背景綺麗すぎない?
うん、共通感想終わり!
千和
気がついたらルートに入っていたので「えっ、さっきの分岐の選択肢だったの?」と後々になって驚いた。ということでちっさくてかわいい千和のルートです。
告白までの過程は「千和いいなぁ」とニヤニヤしていたのですが、告白からの主人公の反応にフラストレーションが溜まる。理由があるにしても、この主人公の鈍感さは主人公に対してヘイトが溜まるのではないだろうか。告白断って女の子泣かすのは良いけど(性癖)、告白の段階までいかないで泣かすとか……。もしやこの作品は鈍感系主人公をヒロインが攻略するゲームなのでは??
千和をナハトから取り返すシーンは燃え上がりました。ただ場面視点が行ったり来たりしててせっかく燃え上がってきた展開が冷めたりしましたが、クロとの電話からの引き金を引くシーンは涙腺を刺激されました。
多くを犠牲にしてたったひとつの一を得る。その行為はみんなのヒーロー足りえないが、少女にとってはたった一人のヒーロー足り得ることでしょう。
結婚から妊娠までの苦悩の流れは「グランドエンディングかな?」と錯覚するくらいには壮大でした。小さい身体であるのネタで終わるかと思ったらこういうふうに繋げてくるかぁ上手いなぁ。
ナハト視点の答え合わせやっぱそういう事だよねって思いながら見てたけど、これ三度目くらいの内容では? 流石に同場面を三回視点変えて流すのは……主人公がナハトに答え合わせするシーンとその後にナハトが主人公と千和を見守るシーンだけで良かったのではと構成に疑問を持ったり。クドくない? ダレない? 大丈夫?
いやぁ始めてから長かったし(15時間)、これでグランドエンディングか……えっまだヒロイン3人残ってる? マ? 千和ルートでこんなにハードル上げちゃって大丈夫?
姫織
お腹に怪獣が住んでいるひよちゃん。麻呂眉!? と最初は眉に目がいってたけど、見慣れてくると愛らしい。そんな姫織のお話の前に十夜の物語が挟まります。
遠矢……お前ネームドキャラだからどっかしらに出てくるだろとは思ってたけど、そうか。遠矢(とおや)と十夜(とおや)か。姫織ルートで名前が出るまで一体どんな”夜のイキモノ”なのかと思ってたが、最近こういうのに気付きづらくなってると感じてきてる。
このルートだと千和ルートとは違い、”お友だち”が十夜と再会できているので、遠矢はナハトに殺されたあと、母親のその後を知って救われたんでしょうかね……。
そういえば息子が作り上げる作品の中でお気に入りの子って、千和でよかったのかな。最初からソルはソルではないことは千和にはバレていて、ソルもバレていたことを察していたんでしょうね。知らなかったのは脚本家のナハトのみだったと。
さて姫織ルートですが、時々出てくる謎の人物の回想がはいります。過去と現在が行ったり来たりしていてこの人物の現在の正体は察してきた辺りで「ホァッ!」となりましたが、いやぁ姫織と美月の視点切り替えによりミスリード良いですね。最初は姫織の過去かと騙されてました。こんな単純なミスリードにはもうだまされないゾ。(伏線)
ハル
ここで「さくら、もゆ。」のタイトルコールが来るとは、不意打ちでしたね。“さくら、もゆ”のハルの反応から千和が過去人であったことからも未来人なんだろうなぁって薄々感じながら進めてました。過去人もいるわけですし未来人がいてもおかしくない。
というか智仁とあず咲の別れのシーンがやばかった。こんなサプライズ用意するとか主人公お前……カッコいいじゃねえか。鈍感クソ野郎とか思ってゴメンな。
千和ルートじゃ泣かなかったのに、智仁の心からの叫びで涙が出てくる。
そんなこんなで智仁とあず咲のエピソードに一区切りがついたところでハルの願いが判明します。それは「桜を咲かせること」……あの、それ少女を生贄に”夜”を維持する行為では????? あの? ハル死ぬんでは? と不穏な雰囲気になっていく。やべえよ……。
しかもおまっ! 千和ルートだとちゃんと確認して”魔法”の許可だしただろ! なんでここで確認しないんだ!!! 馬鹿! やめろッ!……あぁ…………”最後の魔法”使っちゃった……。こんなんだから鈍感クソ野郎なんだよ。お前。
大方の予想通り柊ハルは投身自殺という結果で死にます。タイムトラベルとパラレルワールドの次はタイムリープかぁ。幻想世界モノだと思ってたらSF始まってたかぁ。大好物です。
何度も失敗して何度も繰り返す。好き。
しかも安易に"世界線"という単語を出さずに"基本世界"という単語を出しているの百億万点です。科学ADVシリーズ外で世界線って単語出されると萎えるんですよね。しかも単一世界ではなく並行世界ものでその単語だされるともっと萎える。
ハルを救うために自分を犠牲にして多くを悲しませる行為を繰り返していく主人公。それしかもう道はないのか。最初からクロとふたりの魔法を作っておけばこんなこと(無駄な世界を生み出す結果)にはならずに済んだのではないか……。
クロ
グランドルートです。そしてこれまでの主人公に対するヘイトはこのための布石であった。主人公への憎しみは主人公が意図して集めていたのだ。お前がヒーローだ。物語はハルルートの基本世界AでもBでもない奏大雅が引き金を引かなかったif世界から数年後となります。(だが実際は……)
柊ハルが自殺して引き金を引くことが出来ずにそのままただ時間を消費していくうちに”夜”のことさえ忘れてしまった奏大雅にクロから電話がかかってきます。
そして2ndオープニングがかっこいい!
もう何言っても語彙力ないのでアレなのですが、やばい。
複雑に入り組む設定。時間。人物。これをまとめきり長い、ながい人生を描き切ったのは本当に素晴らしい。
最後のクロの叫びが本当に好き。夏和小さんやべえよ。『RIDDLE JOKER』の壬生千咲でやべえわって思ってたけど、クロでぶっ刺さった。この人の「大雅」と「大好き」って声だけですごく心地よくなる。最高。
はぁ……。クロルートだけで10時間くらいプレイしていたかな。クソ長いけど、それだけカタルシスがやばい。未だに抜けきってないです。
というかね。思春期で幼馴染と少しだけ離れてしまうっていうのね。俺にぶっ刺さる。最後の最後に『フレラバ』の陽茉莉くらいにぶっ刺さる設定出さないでください。
"あなた"と幼馴染の物語がほしいなぁ。もうこのエピローグだけ5ループしてるくらいには好きです。
評価点と問題点
場面転換の多さ
今作には場面転換が多く“場面A(主人公視点)→場面A(ヒロイン視点)→場面B(主人公視点)→場面B(ヒロイン視点)→場面A-B(別視点)→場面C(主人公視点)……”といったように、散逸した時間軸で物語は進行していく。同じ場面を別の視点で幾度も繰り返し、視点を変えてそれぞれの人物の心象を十全に語ろうとしているため、読んでいて倦怠してきやすい。一度の視点で各人物の表情や雰囲気の描写を描くことによって、主人公に、或いは読み手に察せられるようにすればこんな幾度も同じ場面を描く必要は無いのではないだろうかとさえ思えてきて、そんな十全に描き切らなくても誰が何を思って行動しているのかを主人公の視点を通して判るからもっとユーザーを”信頼”してくれても良いんじゃないかと思えてくる。といっても「描写不足」と言うユーザーもいるからこそ、こういう構成になっているのかもしれない。
またこの構成自体がミスリードとなっている姫織ルートやクロルートのように一概にそれ自体が悪いとは言えない。ただ場面転換が多く、同じ場面を繰り返し見るという行為、そして勢いついてきた物語を途中で切り替えることでダレが生じるのも確かだ。
この場面転換の多さはミスリードによって読者に驚きを与えやすい評価点でもあり、また同じ展開を繰り返すことで倦怠してきやすく、物語の勢いを衰えやすくさせる問題点でもある。
自己犠牲精神を持つ多くの登場人物達
主人公である奏大雅をはじめ、自己犠牲精神というヒーロー体質を持った人物が数多く登場している。特に主人公がなぜ自分を犠牲にしたがるのか。その理由は物語を読み始めてから30時間以上後にならないと判明することはない。また自己犠牲といっても、主人公のその行為は主人公のことを大切に思っている人達を傷つける行為に繋がっている。そもそもその在り方自体が「自分は生まれなければよかった」という想いからによるものなので、プレイヤーはクロと同様に主人公が”何を考えているのかわからない”のだ。
クロルートを終えてから物語を振り返ると、全ては大切な人たちを救うための”願い”の“代償”であることが分かるだろうし、そのことを知らずにプレイしていた当時も何かしらの理由があることが察せられる。しかし、それでも異常な自己犠牲や鈍感さは主人公に対してヘイトが溜まりやすい。
千和ルートでは”最後の願い”を叶える前にしっかり千和の願いが安全かどうか確認しているのに対して、ハルルートでは安全か否か確認を怠り、ハルの投身自殺という悲劇へと繋がっている。まるでライターの都合で主人公が鈍感となっているような無理やりさを感じてならない。
二人の奏大雅
ましろに惹かれていく奏大雅をみて、この奏大雅と現在クロと電話をしている奏大雅は別人だと思ってたら、同一人物であったと見事に騙された。同姓同名の単純なトリックで綺麗に騙されたのは悔しい(褒め言葉)。複雑な世界設定
過去も現在も未来も混じり合い、並行世界さえもが絡み合った複雑すぎる“夜”と呼ばれる世界。未来で起こした出来事は過去にも影響するという構造であるため、奏大雅の”願い”は未だ叶えていないが、未来で”願い”は叶えられるため”夜の女王”という”場所”はましろから奏大雅に入れ替えられ本編開始時点で”夜の王”となっている。同様に”夜の王”が一度でも倒されたなら全ての世界の”夜の王”は倒されるため、グランドエンディング後にましろと奏大雅とクロ達が”夜”に関わりがなくても正当性はあるのだ。この因果性のジレンマは作品を複雑にしていると同時に、物語に深みを増している。
辟易するほど繰り返されるテキスト
前述したが場面転換によって同じ場面が幾度か視点を変えて出てくるが、クロと主人公が電話をした際と主人公とあさひさんの会話で目的を振り返ったりした際や、同場面の回想シーンを幾度も行ったりなどで同じテキストを繰り返していたりしているのが目立った。また戦争の詳細や救いたい人たち、奏大雅本人に関することでこそあど言葉が目立ち、終盤で明かすためにブラックボックスとしているのはわかるのだがこちらも気になった。そして傍点で主張したいのはわかるが、多すぎると分かったからもういいよってなってしまう。うっとおしくなる。ヒロインと主人公の物語<サブの物語
千和ルートのナハト、姫織ルートの十夜のように主人公とヒロインの物語よりも、サブの物語のほうに比重を置いている印象を感じられた。これ自体が悪いという訳では無いが、上がったハードルは決して降りることは無いのだ。そしてサブキャラがあげたハードルをヒロインが乗り越えられるとは限らない。一部ヒロインの寝取られ要素
ましろと愛を語った奏大雅が、主人公の人生を模倣する過程で柊ハルと結ばれているが、柊ハルは奏大雅のことをおじさんだと勘違いしたままで、奏大雅は遠くにましろを置いてきたまま浮気しているのは見ていてモヤッとした。ただこの辺りは意図的に描写されてないし、別に恋仲にはなっていないのかな。自身を(偶然)撃ち抜いた後に柊ハルと会っても何も感じてないですし。
というよりも奏大雅が魔法を欲したのは別に柊ハルを救うためではなく主人公のためですし、必要だったのは魔法少女たちの願いを叶えるという”役割”を得る代償によって得られる魔法を叶える権利でしたから、言ってしまえば柊ハルが死ぬのはクロとましろと奏大雅の筋書き通りではあるんですよね。それでもモヤッとするのでこの辺はFDあればフォローほしいですね。
一部登場人物のその後の行方
この物語はクロと主人公の物語。ということを強調していることもあり、多くの登場人物のその後は意図的に曖昧となっています。“お友だち”の生まれ変わり先は? 美月の本当の名前は? 柊ハルの重傷は? 兎蛙あず咲とましろの戦いは? 奏大雅とましろの生まれ変わるための”夢”の”代償”は? “夜”と”太陽の時間”の終わりゆく未来は? とあげるとキリがありません。でも、これらの物語にクロ……いや、幼馴染と主人公は関係ありません。ぶっちゃけ他の物語いらないので主人公と幼馴染のその後の物語だけください。それだけでずっとニヤニヤできるので……いや、蛇足だなぁ。FDいらないけどFDほしい。
美麗なる背景と演出と音楽
今作で最も評価すべき点は幻想的なシナリオに合ったその背景と音楽だろう。”太陽の時間”と”夜”のそれぞれが美しく、一つひとつの背景に見惚れることが幾度もありました。サウンドモードも充実しており、一曲リピート・リピート・シャッフル機能がついていてサントラ発売するまでは音楽プレイヤーとして使用しそうです。主人公のボイスは本来ないはずなのにボイス設定においていたりと、この辺りに布石を置いておくの個人的ツボでプラスです。
セーブデータ数も充分ありシステムとしては申し分無し……って言いたいのですが、「前のシーンへ戻る」ができるのにバックログからのシーンジャンプがなんで無いんですかね? いい加減全ての美少女ゲームに入れましょうよ。飛ばしすぎた時にいちいち前のシーンに戻った後にスキップしてセーブしないといけないの辛い。
総評
テキストには目を瞑る箇所が見受けられるが、壮大で幻想的な世界で構成されたシナリオは、この物語の”聞き手”に強く訴えかけてきます。そう、この作品そのものが私(あるいはこれを読んでいる”あなた”)に”愛”と”勇気”を送るメッセージなのでしょう。というのは置いといて、まあテキストですよ。やはり目は瞑れない。これが例えば演劇の台本だったり小説だったりしたらまた違うのでしょうが、これはアドベンチャーゲームです。音楽と背景とキャラクターと音声、そしてシナリオを構成するテキストの組み合わせによる演出をプレイヤーは”体験”し、物語の没入感を深めることで主人公の人生を擬似的に経験するわけです。
その没入感がテキストによって削がれている。致命的に。それ以外の構成要素(シナリオ含む)は完璧です。最高です。今年はまだ始まってすぐですが一番になりうる可能性はあります。
だが、本当に「惜しい」としか言いようがない。惜しいといえば『Summer Pockets』ですが、『Summer Pockets』の惜しいのはグランドルートのみなのですが、この『さくら、もゆ。』の惜しいところは言ってますがテキスト以外の質が高いせいでテキストの粗さが目立っているわけですよ。
そのテキストに目を瞑って「これは(磨けば)光る原石だ」と高評価を謳っても、言ってしまえば磨けば光る原石は磨かなきゃ光らないんですよ。磨け。もっと。
すべての作品は作者の自慰によって生まれた作品だとしても自分に酔いすぎるな。他者に伝わるように描け。そして描きすぎるな。もっと”聴き手”《プレイヤー》を信じろ。”聴き手”というのは意図的に書かなかった所は勝手に解釈する”イキモノ”なんだよ。
そして視点を何度も何度も何度も変えるな。物語の勢いを殺すな。別の視点で主人公が何をするのか先のことを描くな。お前が書いているものは『遊戯王』や『Gガンダム』の次回予告じゃねえんだ。主人公の視点でできるだけ統一して、そして主人公に状況を把握させろ。
主人公が状況を把握出来なくても第三者視点からの雰囲気を描け。そうすれば”聞き手”は勝手に解釈して回答を得ようとするし無駄な視点変更は要らなくなるだろ。無論視点変更が必要な箇所があればしてもいいが何度もするな。勢いを殺さずに一括で一気に描け。
なあ、漆原雪人分かったか!?……あっ、もしも見てたら上から目線でごめんなさいしときます。
すみませんでした。
賛否両論。人によっては最高と言えるだろうけど最低とも評価できちゃう作品。
私は楽しめましたし今年一位ではないだろうかとさえ感じていますが今作の愚痴は延々と言えます。まぁ『さくら、もゆ。』だけじゃなく体験版は必ずやってから購入しましょうね。感性が合うか合わないかなんて人それぞれですから。私はテキスト以外は合ったという……ただそれだけです。
(C)FAVORITE
一部ヒロインの寝取られ要素
返信削除これを指摘している方が居て安心しました、気にしてない方が多いようで自分の感性おかしいのかと?
クドイテキストはむしろ大好物なんで寝とられ要素さえなければ個人的に完璧な作品だったのですが…
コメントありがとうございます。
削除クロルート開始時点でプレイヤーは奏大雅のことを主人公だと思いながら進めていき、いまの奏大雅と主人公の奏大雅は完全な別人であることがわかるのはましろと奏大雅の出来事と主人公の過去を語り切った後なので、一気にプレイしてないと奏大雅が寝取ったこと自体気が付かないかもしれなていですね。
そもそもモヤッとするのは女性陣の心象を考えるプレイヤーだけなのでしょう。ましろは浮気、柊ハルは想い人だと思ったら違ったという寝取られですから。男性陣からというよりクロと結ばれる主人公自身も基本世界Aと地続きであり、つまり柊ハルと結ばれながらも柊ハルの自殺後"夜"とともに柊ハルのことを忘れていながらもクロのことだけを想い続けていたわけですから。
ハルや姫織や千和のルートの主人公も死後、"夜"を思いだして真っ先に恋人のところではなくクロの所へ向かってますしこの時点で主人公の女性に対する誠実さは……。一応フォローをいれるならましろと奏大雅のふたりを救うという主人公の"願い"を唯一知るクロにその"代償"によって得られる"夜の王"となる"魔法"を伝えたかったのでしょう。
結果的に"夜の王"となる基本世界Aの主人公は死後にすべての時間世界の自らの"想い"を持っているので千和や姫織と結ばれた際の"想い"も持っているんですが、愛し結ばれた"想い"は持っていてもその主人公本人ではない。同一人物だが別の時間世界の人物。それはもう"他人"なのだ。兎蛙智仁はそんなことどうだっていいって言うでしょうし、奏大雅も君自身じゃないっていうでしょう。この"同一人物の別人"というよく分からない状況が、同じ時間世界での出来事で女性に対して不誠実さを働いても曖昧にさせているのでしょう。
主人公の話は終わりまして不誠実を働いた奏大雅はどうしようもない。もしもFDがあってフォローが入るなら人生の模倣というのは主人公が"おじさん"となることも含めてなのかもしれません。つまり奏大雅が撃ち抜いた者が"希望"を感じた地点まで巻き戻す"魔法"を偶然撃った後、クロが奏大雅に命を分け与えて後の未来でハルを救った"おじさん"はこの時間世界だと主人公ではなく奏大雅となるのならハルに対しての寝取られ要素は無くなるのではないでしょうか。こう自己解釈するとモヤッと感は自分は減りました。まあましろがいるのに奏大雅が浮気した過去は変わらないですが……ドンマイましろ。
……軽く返信しようとしたらすごく長くなった。